HLA(ヒト白血球型抗原)技術情報用語集
%PRA
%PRAとは、% Panel Reactive Antibodyの略で、主に移植の際に使われる用語です。
対象(主に患者)血清を複数の細胞のパネルと反応させることで、拒絶のリスクを予測する際に利用されます。
複数パネルとの反応を見ることで、%(パーセント)の算出が可能になり、0 - 100 %の数字で表現がされます。
以前は細胞を用いて%PRAが算出されていましたが、抽出抗原をビーズに結合させることによるビーズ法が開発され、フローサイトメーターやLuminexといった機器を用いた測定も可能になりました。
ビーズ法では、試薬に含まれる全ビーズ数に対して抗体陽性となったビーズの数であらわします。
FlowPRA ScreeningおよびLABScreen PRAは、One Lambdaが販売している製品で共に%PRAを測定することができます。
どちらも細胞から抽出した1パネルのHLA抗原が各ビーズにコーティングされています。
FlowPRAScreening は、Class I抗原およびClass II抗原にそれぞれ30個のビーズの混合液です。
また、LABScreen PRAは、Class I は55ビーズ、Class IIは35ビーズの混合液です。
FlowPRA Screening はフローサイトメーターで検出します。
ラッテクスビーズにHLA抗原がコーティングされていて、FITC標識二次抗体を用いて蛍光値を測定します。
LABScreen PRAはLuminex(LABScanシステム、LABScan3Dシステム)で検出します。
LuminexのポリスチレンビーズにHLA抗原がコーティングされていて、PE標識二次抗体を用いて蛍光値を測定します。
このように、試薬の測定方法・調製方法が異なるため、%PRAが完全に一致するわけではありません。
そのため、同じ抗HLA抗体を持つ血清に対しての反応は異なることが考えられますが、One Lambda側の方針でNomenclatureの全HLA抗原を網羅しています。
FlowPRA Screeningで1個のビーズに感作した抗体がある場合、%PRAはClass IおよびClass IIともに3.3%となります。
LABScreen PRAで1個のビーズに感作した抗体がある場合、%PRAはClass Iで2%、Class IIで3%となります。