ラーニングコーナー
2019/02/27
乳がんと乳腺上皮細胞の研究 【E-learning】
- 用途別細胞培養
乳房上皮細胞の階層構造の構成を理解することは、異なる種類のヒト乳房腫瘍の起源細胞の特定、腫瘍増殖を促進する細胞のキャラクタリゼーション、そして、異なる発がん性変異が正常乳腺上皮内の恒常性にどのように影響するかの理解、に非常に重要です。
接着性および非接着性in vitroコロニー形成アッセイは、正常なヒトおよびマウスの乳房組織内、遺伝子組み換えマウスの乳房組織内、ヒト乳房腫瘍サンプルに存在する機能的不均一性を有効に調べることができます。
乳がんと乳腺上皮細胞の研究
乳腺幹/前駆細胞・乳がんミニレビュー
乳腺は、発達、思春期、妊娠、授乳、退縮をとおして、広範な形態学的変化を受ける動的な器官です。これらすべての段階における乳腺上皮の維持は、乳腺幹/前駆細胞を介して行われます。
以下のミニレビューでは、乳腺上皮の組織、乳腺幹細胞と前駆細胞の同定、乳腺上皮細胞の表現型プロファイリングと細胞培養方法、および乳がん分野における乳腺幹細胞の現在の理解について説明します。
初代乳腺前駆細胞のアッセイと培養のためのツール
乳がん研究用ツールのご紹介
最前線で乳がん研究を行っている研究者は、乳がん幹細胞、またはがん細胞株由来の腫瘍スフェア(tumorsphere)を培養するための培地として、MammoCultを選択しています。STEMCELL Technologies社では、MammoCult、ALDEFLUORをはじめとする優れたがん研究ツール(専用培地、細胞分離ツール、幹細胞検出キット等)をご提供しております。
乳がん・乳腺上皮細胞研究ワークフロー
乳腺上皮細胞の研究の流れと、各ステップにおすすめの製品です。
製品名 | アプリケーション | 製品コード |
EpiCult™-B (Human) | 前駆細胞の分化評価のためのコロニー形成細胞アッセイ | ST-05601 |
EpiCult™-B (Mouse) | 前駆細胞評価のためのコロニー形成細胞アッセイ | ST-05610 |
EpiCult™-C (Human) | プライマリーのヒト乳腺上皮細胞の短期培養 | ST-05630 |
MammoCult™ | 最適化されdefinedな培養条件下で、ロバストなヒトマンモスフェア(mammosphere)および腫瘍スフェア(tumorsphere)を形成 | ST-05620 |
ALDEFLUOR™ | ALDH活性に基づく正常な生細胞や、がん細胞の同定、カウント、単離 | ST-01700 |
乳腺上皮細胞研究用製品の詳細はこちら>>
マンモスフェア・腫瘍スフェア培養用の無血清培地
MammoCultとは
マンモスフェア(mammosphere)と腫瘍スフェア(tumorsphere)は、細胞を培養して球状塊を形成させたスフェロイドの一種です。マンモスフェアはプライマリーの乳房組織または細胞株から、腫瘍スフェアはプライマリーの腫瘍細胞および複数の組織由来のがん細胞株から培養されます。
MammoCultは、正常なヒト乳房組織およびに由来するマンモスフェアと腫瘍スフェアの培養に関して、最も広く知られている市販の無血清培地です。これまで多数の乳がん細胞株(MCF7、MCF10A、SKBR3、MDA-MB-231、AU565、SUM149、BT474等)の腫瘍スフェア形成に使用されてきました。多くの最前線の乳がん研究者たちがMammoCultを使用する一方、卵巣・肺・結腸および他の組織に由来する細胞を用いたスフェアアッセイにも使用されています。
MammoCultをもちいたスフェアアッセイの例
3次元細胞培養システム(AggreWell)における薬剤スクリーニングと表現型解析
MammoCultの特長
- Defined 組成成分が明確な無血清培地
- ハイパフォーマンス 多数の継代可能なマンモスフェアと腫瘍スフェアを形成
- 長期間のメンテナンス 乳がん細胞株の長期維持をサポート
- 多数の文献で利用 乳房組織のスフェア培養で多くの文献で利用実績がある市販の培地
マンモスフェア・腫瘍スフェアの培養方法
3Dスフェア培養は、従来の単層培養に比べてより生体に近い3次元的な状態で培養することができます。
マンモスフェア(mammosphere)培養系は、基層への接着を防ぎ、スフェア状クラスターとして懸濁状態で増殖することを可能にする環境において、乳腺上皮細胞を低密度で播種することができます。
このシステムは、in vitroで乳腺幹細胞および前駆細胞を増殖させることができ、乳がん幹細胞および細胞株の腫瘍スフェア培養をサポートします。