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ラーニングコーナー

2017/08/02

CAR(キメラ抗原受容体)-T細胞の単離・活性化・増殖

  • 細胞分離
  • 用途別細胞培養

CAR-Tによる細胞療法とは、がん患者からT細胞を分離し、遺伝子工学技術を用いてT細胞にキメラ抗原受容体(機能:腫瘍細胞の認識、T細胞の活性化、腫瘍細胞を破壊)を付加したCAR-T細胞をin vitroで増殖させた後、CAR-T細胞を患者自身の体に戻すという方法です。

CAR-T細胞療法研究に向けて

STEMCELL Technologies社はGEヘルスケア社と共同し、cGMPグレードのT細胞試薬を用いて臨床への応用を目指しています。現在、米国薬局方USP1043(細胞療法等の製品製造時に選択すべき試薬等の基準)に則って試薬の開発を進めています。今後STEMCELL Technologies社がGEヘルスケア社にライセンシングしたcGMP-grade T細胞製品が製造される予定です。
※日本国内においてSTEMCELL Technologies社製品は、すべて研究用として取り扱っています。

 

CAR-T細胞治療の特徴

  • 患者自身のT細胞を使用することで、拒絶反応のリスクを低減
  • 多くの腫瘍細胞は同一の抗原を発現するため、1つの腫瘍抗原に対するキメラ抗原受容体を構成すれば、他の腫瘍に対する治療も可能
  • CAR-T細胞は腫瘍細胞のタンパク抗原や非タンパクの糖脂類抗原も認識でき、腫瘍抗原のターゲット範囲を拡大
  • CAR-T細胞はMHC非拘束性
  • CAR-T細胞は免疫記憶機能があり、患者の体内に戻しても長期間にわたり機能を提示
  • 自殺遺伝子をT細胞に組み込むことで、CAR-T細胞の安全性を向上可能

 

CAR-T 細胞を生成するワークフロー

STEMCELL Technologies社の製品群は、CAR-T細胞療法研究における3つのステップをサポートします。

  • T細胞の分離
  • T細胞の活性化
  • T細胞の増殖

0970_01_CAR-T-outline.jpg

ワークフローを動画でCHECK>>

CAR-T細胞研究製品の特徴

  • DOCUMENTATION:CoAとCoOを含めたトレーサビリティーを提供
  • CONSISTENCY:安定した品質
  • QUALITY:豊富なQCテスト
  • CONSULTATION:経験豊富なグローバルな専門家がサポート

T細胞の分離

EasySep Release Human CD3 Positive Selection Kit

EasySep Release Human CD3 Positive Selection Kit(製品コード:ST-17751)は、ポジティブ分離したCD3+細胞から非酵素処理でビーズを外せる製品です。30分以内に素早く分離できます。EasySep Releaseシリーズは、血液からの細胞分離に加え、同一試料から複数種類の細胞分離、シーケンシャル分離による希少な細胞または複雑なフェノタイプの細胞分離、組織からの細胞分離にも有用です。

使用方法

  1. EasySep Release抗体カクテルをPBMCに加え、3分間インキュベート
  2. EasySep Release Rapidsphereを加え、3分間インキュベート
  3. マグネットにセットし5分静置した後、上清を除去。その後2回洗浄
  4. EasySep Release Bufferを加え、3分インキュベート、リリース効率は70-90 %
  5. マグネットにセットし5分静置した後、上清(ビーズフリーの細胞)を回収

データ例

ヒトPBMCからEasySep Release Human CD3 Positive Selection KitでCD3陽性細胞を分離した例です。
分離後の純度は98.7 ± 0.9% 。下図の例では、CD3陽性細胞の純度が38.4%(分離前)から99.0%(分離後)に上昇しました。

0970_02_17751_FACS_web_ready.jpg

 

T細胞の活性化

ImmunoCult Human CD3/CD28 T Cell Activator

ImmunoCult Human CD3/CD28/CD2 T Cell Activator

ImmunoCult Human CD3/CD28 T Cell Activator(製品コード:ST-10971)とImmunoCult Human CD3/CD28/CD2 T Cell Activator(製品コード:ST-10970)は、単離されたヒトT細胞を活性化および増殖させるサプリメントです。STEMCELL Technologies社の独自技術であるTetrameric antibody complex構造をとった抗ヒトCD3抗体、抗ヒトCD28抗体および抗ヒトCD2抗体により各細胞表面リガンドがクロスリンクしやすくなり、効率良くヒトT細胞を活性化・増殖します。

使用方法

  1. 分離したヒト T 細胞(1 x 106 cells/mL)を、適切なサイトカイン(例: 30 - 100 IU/mL IL-2; ST-02502)を加えた ImmunoCult-XF T Cell Expansion Medium で培養
  2. ヒトT 細胞の活性化には、ImmunoCult Human CD3/CD28あるいはCD3/CD28/CD2 T Cell Activator を細胞溶液1 mLあたり25 µL加え、37℃、5% CO2で 最長3 日間インキュベート

データ例

ImmunoCult Human CD3/CD28 T Cell Activator あるいは ImmunoCult Human CD3/CD28/CD2 T Cell Activatorで活性化したT 細胞の例です。(3日間培養)

0970_03_T-activation.JPG

 

ImmunoCult Human CD3/CD28/CD2 T Cell Activatorで活性化したT細胞は、活性化形態を示します。

ST-10970_Activated_img01.jpg

 

T細胞の増殖

ImmunoCult-XF T Cell Expansion Medium

ImmunoCult-XF T Cell Expansion Medium(製品コード:ST-10981)は、ヒトT細胞の活性化、増殖および分化に最適化された無血清・ゼノフリー培地です。

使用方法

  1. 上記ImmunoCultで活性化したヒトT細胞の増殖のため、サイトカインを加えたImmunoCult-XF T Cell Expansion Mediumで、細胞密度1 x 106 cells/mLに調整して 37℃、5% CO2で培養
  2. 3 - 4日毎に、サイトカインを加えたImmunoCult-XF T Cell Expansion Mediumを交換
  3. より長期間培養する場合は7-10日毎に増殖したT細胞を回収し、新しい培地で1 x 106 cells/mLに調整。ImmunoCult Human CD3/CD28 あるいは CD3/CD28/CD2 T Cell Activatorで再活性化

データ例

EasySepで分離したT cellsをImmunoCult Human CD3/CD28/CD2 T Cell Activatorで活性化して各培地で静置培養(1ドナーあたり3回培養)

A:rhIL-2を加えたImmunoCult-XF T Cell Expansion Medium および他社の無血清培地
B:rhIL-2を加えたImmunoCult-XF T Cell Expansion Medium および血清を加えた他社培地

T細胞をDay 0および、7-8日毎にImmunoCult Human CD3/CD28/CD2 T Cell Activatorで活性化しました。Day 21に培養開始時の細胞濃度に対する増幅度を解析しました。

0970_04_T-Expansion.jpg

 

無料サンプルのご案内

EasySep、ImmunoCult Human CD3/CD28 T Cell Activator、ImmunoCult Human CD3/CD28/CD2 T Cell Activatorには、初回検討用の無料サンプルがあります。サンプル申し込みはこちら。

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