STEMCELL Technologies StemSpan StemSpan-AOF
本製品はPMDAの原薬等登録原簿(マスターファイル)に登録されました。
- 研究用
StemSpan™-AOF(ST-100-0130)は、ヒト造血細胞をin vitroで培養および増殖するための、2次原料まで動物由来成分を含まない(Animal Origin-Free: AOF)培地です。培地に任意のサプリメントを添加して使用するため、さまざまな培養条件を柔軟に調製できます。
StemSpan™-AOFには組換えタンパク質と合成成分のみが含まれ、血清やその他のヒトあるいは動物由来の成分は含まれません。また、cGMP(current Good Manufacturing Practice、現行適正製造基準)に沿って、製造および試験されています。
適切な成長因子/サイトカインおよびサプリメント(小分子など)を添加することで、ヒト臍帯血、動員末梢血、または骨髄サンプルから分離されたCD34+細胞や前駆細胞の拡大培養、およびミエロイド系列や巨核球前駆細胞の拡大と分化培養をおこなえます。
臨床用途でご利用予定の場合は弊社にご相談ください。
製品の特長
StemSpan™-AOFは、ヒト造血細胞の培養と増殖に最適なcGMP培地です
- ヒト臍帯血由来CD34陽性細胞を7日間の培養で20倍に増殖させます
- 未分化なCD34brightCD90+CD45RA-細胞集団を培養で維持できます
- ゲノム編集プロトコルへの使用に適しています
- 動物由来フリー、フェノールレッドフリーの組成です
- cGMPのもとで製造および試験されています
- 原料のトレーサビリティを完全に確保しています
- PMDAの原薬等登録原簿(マスターファイル)に登録済みです
データ紹介
図1.StemSpan™-AOFで培養したCD34+細胞の免疫表現型
EasySep™ Human Cord Blood CD34 Positive Selection Kit II(ST-17896)で分離した臍帯血(CB)由来のCD34+細胞を、StemSpan™ CD34+ Expansion Supplement (10X)(ST-02691)とUM171 *を添加したStemSpan™-AOF(ST-100-0130)で7日間培養しました。 培養後に細胞を7-AADによる染色と、CD34、CD90、およびCD45RAに対する蛍光標識抗体で染色し、FACS解析しました。
CD34とFSCに対するFACSプロットにおいて水平方向に示した点線は、CD34発現の蛍光色素マイナス1(FMO)コントロールに基づくCD34-細胞とCD34+細胞の境界を示しています。これらのFACSプロットをオレンジ色で示した領域には、CD34bright細胞の母集団を示しています。連続ゲートを使用して、CD34+細胞、CD34bright細胞、およびCD34brightCD90+CD45RA-細胞の生細胞の割合を示しました。
図2.StemSpan™ シリーズは他社の培地よりもヒトCD34+およびCD34bright細胞の拡大培養を促進します
臍帯血から分離したCD34+細胞をStemSpan™シリーズ(SFEM、SFEM II、ACF、およびXF、オレンジ色のバー)または他社の培地(灰色のバー)で7日間培養した結果を比較しました。すべての培地にStemSpan™ CD34+ Expansion SupplementとUM171 *を添加しました。
図1に示すように、培養中のCD34+およびCD34bright生細胞をFACS解析して(A)頻度、および(B)細胞の増殖量を比較しました。他社の培地と比較して、StemSpan™シリーズではCD34+およびCD34bright細胞が有意に高い増殖を示しました。(P < 0.05, one-way ANOVA followed by Dunnett’s post hoc test)。Data shown are mean ± SEM (n = 8).
* 最終濃度が1 μMに調製されたUM729(ST-72332)を使用した場合も、同様の結果が予想されます。UM171とUM729の比較データを含む詳細については、Fares et al. 2014を参照。
注:上図の「StemSpan™-AOF」のデータはフェノールレッド含有の旧製品(StemSpan™-ACF:販売中止)で取得したものです。ただし、StemSpan™-AOF(ST-100-0130)のパフォーマンスも非常に似ていることが確認されています。
図3. StemSpan™シリーズは他社の培地よりもヒトCD34brightCD90+CD45RA-細胞の拡大培養を促進
図2と同様に培養および比較検討をしました。図1に示すように、培養中のCD34+ CD90+CD45RA(実線)およびCD34brightCD90+CD45RA-(点線)生細胞の(A)頻度および(B)細胞増殖をフローサイトメトリーで分析しました。StemSpan™シリーズでは、CD34brightCD90+CD45RA-細胞は有意に高い増殖を示しました(P < 0.05, one-way ANOVA followed by Dunnett’s post hoc test)。
図4.ゲノム編集後のCD34およびCD45RA-HSPCの拡大培養において、StemSpan™シリーズは他社の培地よりも多くの細胞を増殖可能
図2と同様に培養および比較検討をしました。分離したCB由来CD34+細胞をStemSpan™シリーズの培地(オレンジ色)、または他社のXeno Free培地(灰色のバー)で2日間培養しました。すべての培地にStemSpan™ CD34+ Expansion SupplementとUM171を添加して培養しました。次に、ベータ-2-ミクログロブリン(B2M)を標的とするcrRNA:tracrRNAを含むArcitect™ CRISPR-Cas9 RNP複合体を使用して細胞をエレクトロポレーションし、同じ条件でさらに4日間培養しました。MHC-Iの染色とフローサイトメトリーによる分析によって測定されたノックアウト効率はすべての培地で類似しており、約70〜80%でした。(A)CD34+細胞の比率と、(B)CD34+CD90+CD45RA-細胞はエレクトロポレーションをしてから4日後の細胞数をフローサイトメトリーで定量化しました。表示のデータは平均+SDです(n = 4ドナー; ** P <0.01)。
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