ラーニングコーナー
2018/06/11
ヒト多能性幹細胞由来 心筋細胞(hPSC-CMs)を用いた不整脈のモデリングと興奮性の追跡
- 用途別細胞培養
ヒト多能性幹細胞由来 心筋細胞(hPSC-CM/Cardiomyocyte)は、遺伝性および薬物誘発性不整脈の疾患研究にとって非常に魅力的なモデルです。複数の異なる薬物誘発性不整脈hPSC-CM細胞株に対する遺伝的多様性の影響の判定を容易にするため、患者由来hPSC-CMを効率的に作成し、心筋細胞への分化過程における興奮性を安易に追跡することが求められます。
STEMCELL Technologies社のSTEMdiff™心筋細胞培養システム(「STEMdiff Cardiomyocyte System」)にMEA(微小電極アレイ)を組み合わることで、hPSC由来心筋細胞を用いたハイスループットなスクリーニング、不整脈モデリングおよび心筋細胞の興奮性追跡が可能になります。
ヒト多能性幹細胞由来 心筋細胞研究のワークフロー
効率的なヒト多能性幹細胞由来 心筋細胞(hPSC-CM)研究のワークフローの例を示しました。多能性幹細胞の維持をTeSR培地、心筋細胞の誘導と維持をSTEMdiff Cardiomyocyteを用いておこなうことで、効率と再現性が向上し、下流アプリケーションにおける一貫性のある結果が期待できます。
STEMdiff心筋細胞培養システムとは
STEMdiff心筋細胞培養システムによるワークフロー
「STEMdiff 心筋細胞培養システム」では、hPSCから効率的かつロバストなトロポニンT(cTnT)陽性心筋細胞を形成します。
hPSCから心筋細胞への分化に標準化されたプロトコールは、複数のhPSC株間で一貫した性能を提供し、高純度かつ高収率にhPSC由来心筋細胞を形成可能になります。
STEMdiff 心筋細胞培養システムのアドバンテージ
- 完全:hPSC由来心筋細胞の完全なワークフローをサポート
- 簡便:シンプルな単層プロトコールにより、15日間でhPSC由来心筋細胞を作成
- 高収率:1キットあたり5×106個以上のcTnT陽性心筋細胞を作成
- 標準化:複数のhPSC株に対して一貫した性能
データ紹介
STEMdiff 心筋細胞培養システムで得られたhPSC-CMの0~15日の形態
STEMdiff 心筋細胞培養システムでhPSCから心筋細胞へ分化させた0~15日までの画像。
分化した細胞は、接着性の拍動する(8日目頃に拍動し始める)細胞が密集してクモの巣状に単層を形成するという、典型的な心筋細胞の形態を示します。
STEMdiff 心筋細胞培養システムで得られた高純度な心筋細胞
STEMdiff 心筋細胞培養システムを用いて、12ウェルプレートの単一ウェル中でヒトES細胞およびヒトiPS細胞を15日間培養しました。培養期間の終わりに細胞を回収し、cTnT陽性細胞の発現をフローサイトメトリーで分析しました。
下図は、ヒトES(H9)細胞およびヒトiPS(WLS-1C and STiPS-M001)細胞から分化させた心筋細胞におけるcTnTの発現結果です。
ウェビナー紹介
hPSC由来心筋細胞を用いた不整脈のモデリングと興奮性の追跡
Modeling Arrhythmias Using hPSC-Derived Cardiomyocytes and Tracking Their Excitability
演者: Dr. Vincenzo Macri, Dr. Stacie Chvatal
(動画視聴にはSTEMCELL Technologies社ウェブサイトへのログインが必要です)
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