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ラーニングコーナー

2018/07/31

Laminin(ラミニン)を用いた3次元(3D)培養アプリケーションの実績

  • 用途別細胞培養

細胞培養時の基底膜としてのラミニン(laminin)は、in vitroでの細胞特異的な細胞とマトリックスの相互作用を生体内と同じ環境(ニッチ)を再現することで、細胞の機能を改善に役立ちます。
ラミニンは細胞の重要な生体内の細胞特異的なマトリックスとして、ほぼすべての細胞の成長・サポートに関わります。

ラミニンを用いた3D培養アプリケーション 実績

Human stem cell based corneal tissue mimicking structures using laser-assisted 3D bioprinting and functional bioinks

Sorkioa A., Kochb L., Koivusaloa L., Deiwickb A., Miettinena S., Chichkovb B., Skottman H. Biomaterials, 2018

著者らはヒト組換えラミニンおよびヒト由来コラーゲンIを、機能性バイオインク(バイオプリンティング)の基礎として活用した。ラミニンは角膜でのLESC基底膜の主要成分なので、ヒト胚性幹細胞由来の輪部上皮幹細胞(hESC-LESCs)に対して、ヒト組換えLaminin-521を含むバイオインクを選択した。
3種類の異なるタイプの角膜構造のバイオプリンティング:hESC-LESCsを用いた重層化角膜上皮(stratified corneal epithelium)、層状角膜基質(バイオインクの交互無細胞層とhASCの層を使用)および間質と上皮部分の両方を利用し最終的な構造になる…

 

Gelatine methacrylamide-based hydrogels – an alternative 3D cancer cell culture system

Kaemmerer E., Melchels F.P.W., Holzapfel B.M, Meckel T., Hutmacher D.W., Loessner D. Acta Biomaterialia, 2014

著者らは天然の細胞外マトリックス(extracellular matrix:ECM)成分と調整可能なマトリックスを組み合わせた、効率的な半合成代替物としての卵巣癌スフェロイド増殖の解析を、3D生体試料プラットフォームで紹介している。それは従来のモノレイヤーアプローチと比較すると、より高い増殖性、少ない複雑性および異なるグループ間において、より良い相関の高さを示した。この研究では、in vitroおよびin vivoスフェロイドベースの3Dがんモデルのため、Laminin-411を添加したGelMA(gelatine methacrylamide-based hydrogels)を確立した…

 

Development of a biomaterial associated with mesenchymal stem cells and keratinocytes for use as a skin substitute

Steffens D., Mathor M.B., Santi B.T.S., Luco D.P., Pranke P. Regen. Med., 2015

新たな皮膚代替物での治療を目指し、間葉系幹細胞(mesenchymal stem cell:MSC)とケラチノサイト(keratinocyte)組み合わせて、Laminin-332の結合の有無の条件でポリ-DL-乳酸の「足場」を開発した。ラミニンの結合も実証され、マトリックス中のラミニンの結合により、生体材料をより親水性にすることが判明した。
ラミニンの特性に関連する生体適合性および生分解性ポリマーを利用すると、細胞の接着性および生存性の改善をもたらす事がわかり、Laminin-332はMSCおよびケラチノサイトの増殖に有益である事が示された…

 

Human embryonic stem cell dispersion in electrospun PCL fiber scaffolds by coating with laminin-521 and E-cadherin-Fc

Leino M., Astrand C., Hughes-Brittain N., Robb B., McKean R., Chotteau V. J Biomed Mater Res Part B 2017

幹細胞ニッチで自然発生しているDefinedな細胞外タンパク質Laminin-521と組み合わせた、エレクトロスピニングされたポリカプロラクトン(PCL)繊維足場(ファイバーを組み合わせたスキャホールド)において、ヒト胚性幹細胞の非凝集培養(non-aggregate)系を紹介している。組換えヒトLaminin-521にコーティングされたPCL繊維足場は、シングルセル懸濁液からの最初の幹細胞接着および増殖を容易に支持した。
組換えE-カドヘリンFcおよびLaminin-521との組合せにより、細胞分散を改善し、均一な細胞集団が得られた。
最後に、E-カドヘリンFcおよびLaminin-521にコーティングされた、PCL繊維足場で培養された細胞は、3胚葉すべてに分化できることを示した。
重要なことは、細胞凝集体(aggregate)の形成を避けることが可能、多能性幹細胞の増殖・分化用definedな3D培養系を提供した…

 

Collaboration of 3D Context and Extracellular Matrix in the Development of Glomma Stemness in a 3D Model

Ma N.K.L., Kai Lim J., Fatt Leong M., Sandanaraj E., Ti Ang B., Tang C., Wan A.C.A. Biomaterials, 2015

3Dの属性が異なるラミニンアイソフォームの組み合わせにより、神経膠腫細胞の幹細胞性(stemness)の促進に特異的な効果を有することを示している。 7種の異なるラミニンアイソフォームがコーティングされた、エレクトロスピンポリスチレン(ESPS)足場上でU251膠芽腫細胞(glioblastoma cells)を培養し、幹細胞関連遺伝子およびタンパク質発現研究用の3Dモデルを提供した。
2Dと比較して、3Dコンテキストでの幹細胞性マーカーとインテグリンの発現の影響を示したところ、特にラミニン結合するインテグリンa6b4の上昇がみられた。
コロニー形成アッセイで、Laminin-411、421、511および521と組み合わせた、ESPS足場で培養した細胞は、より向上したクローン形成能を示した。
この結果は、3D vs. 2D属性の違いからECMシグナリングおよび幹細胞性にどのように大きく影響を受けるかを示している…

 

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