ラーニングコーナー

2013/09/09

全血からのハイスループット細胞分離システム RosetteSep & SepMate

細胞分離

STEMCELL Technologies社のRosetteSep™とSepMate™を併用すれば、最短25分で全血からハイスループットな細胞分離が可能になります。

従来の比重遠心&カラム法と比べ、RosetteSep™ & SepMate™では簡単にヒト全血から細胞分離ができます。しかも大幅な時間短縮が可能。ケーススタディーでは、ナチュラルキラー細胞（NK細胞）の分離時間を1/4にカットした例をご紹介します。

RosetteSep™ & SepMate™の特長
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RosetteSep™ & SepMate™の特長

ハイスループットな細胞分離の重要性

免疫細胞の分離は、創薬・育薬、ワクチン研究、トランスレーショナル免疫学等の分野で重要な役割を果たします。例えば、免疫賦活成分の評価や、ワクチンの免疫原性試験、免疫系と感染病原体の相互作用の研究には、日常的に免疫細胞分離が必要になります。

RosetteSep™ & SepMate™を組み合わせるメリット

STEMCELL Technologies社の免疫比重分離試薬「RosetteSep™」と、細胞分離用チューブ「SepMate™」を併用することで、細胞分離の作業ステップが減らせます。また、作業時間の節約、高い再現性、効果的かつハイスループットなサンプル処理を実現できます。カラムも免疫磁気ビーズも使用せず、何も結合していない高純度な細胞を分離できるため、不要な活性化やダメージが誘発されるリスクを最小に抑えます。分離した細胞は、細胞障害試験、化合物スクリーニングのほか、バイアビリティーが高く機能的な細胞が必要とされるすべてのアプリケーションにご使用できます。

詳しくはこちらもご覧ください。

ヒト全血からワンステップで細胞分離　「RosetteSep™」

全血からわずか15分でPBMCを調製「SepMate™-50」・「SepMate™-15」

ケーススタディー

in vitro細胞障害性解析のための、ナチュラルキラー細胞（NK細胞）およびリンパ球のハイスループット分離

全血からリンパ球を分離するための従来法は、多くの時間と労力を要し、操作には正確さと熟練が必要でした。従来法では通常、末梢血単核球（PBMC）を比重遠心で分離した後、免疫磁気ビーズカラムで特定の細胞集団を濃縮するため、たとえば450 mLの全血から高純度なNK細胞を分離するには4時間もかかりました。また、多数のサンプルを速く効果的に処理するのは困難でした。
新しい RosetteSep & SepMateのシステムではより速く効果的な全血の処理が可能で、細胞機能やダウンストリームのアッセイへの影響もありません。University of Maryland School of MedicineのDr. Ajay Jainの研究室では、多くのヒト血液サンプルから日常的にNK細胞を分離しています。彼らは、カラムを使用した従来法から RosetteSep™ & SepMate™のシステムに変更することで、分離のワークフローを合理化し、ハイスループットなサンプル処理を実現することに成功しました（So et al. 2013）。

RosetteSep™ & SepMate™の評価

従来法とRosetteSep™ & SepMate™システムの比較

Dr. Jainのグループは、450 mLの血液から RosetteSep™ & SepMate™システムでNK細胞を分離し、従来法と比較しました。従来法では4時間かかったNK細胞の分離が、RosetteSep™ & SepMate™システムではわずか1時間でできることが分かりました。
さらに、分離したNK細胞は高純度（フローサイトメトリーで86.7％）であり、インタクトな細胞溶解性を保っていました。in vitroアッセイでは、分離したNK細胞がHT9 colon cancer cellsおよびK563 Leukemia cellsの殺傷能を維持していることも示されました。

フローサイトメトリーによるNK細胞活性化マーカーの評価

RosetteSep™ & SepMate™システム分離したNK細胞は、従来法と同等の発現プロファイルを示しました。

参考コメント

“The SepMate tubes… provide a mechanical barrier between the purified effector cells and the density gradient medium. The desired cell populations remain above the barrier and can be poured out of the tube with no technical expertise. This method allows for the concurrent rapid purification of NK cells and CD8+ and CD4+ T cells from multiple human donors, which makes downstream applications (i.e. flow cytometry, ELISA, assessment of in vitro cytotoxicity) more practical to perform in a high-throughput manner.” （So et al. 2013より）