STEMCELL Technologies StemSpan StemSpan-XF
- 研究用
StemSpan™-XF(ST-100-0073)は、ヒト造血細胞のin vitro培養と増殖のために開発された培地です。実験系に合わせて適切な成長因子とサプリメントを添加して使用します。
StemSpan™-XFには予め評価済みのヒト由来および組換えヒト(rh)タンパク質が含まれています。
適切なStemSpan™シリーズのサプリメントを併用して、ヒト臍帯血、動員末梢血、または骨髄から分離したCD34+細胞や前駆細胞を拡大培養、および赤血球、骨髄系細胞、巨核球前駆細胞などへ分化させることができます。
本製品はStemSpan™ H3000(ST-09850)の後継品です。
製品の特長
StemSpan™-XFはヒト造血細胞の培養および増殖用のゼノフリー・無血清培地です。
データ紹介
図1. 培養したCD34+細胞の免疫表現型
EasySep™ Human Cord Blood CD34 Positive Selection Kit II(ST-17896)で臍帯血(CB)由来のCD34+細胞を分離後、StemSpan™ CD34+ Expansion Supplement (10X)(ST-02691)とUM171 *を添加したStemSpan™-XF(ST-100-0073)で培養しました。 7日間の培養後、培養細胞を7-AADによる染色と、CD34、CD90、およびCD45RAに対する蛍光標識抗体で染色し、FACS解析しました。シーケンシャルゲートは蛍光マイナス1(FMO)コントロールに基づいて、生存している細胞(A)CD34+およびCD34+CD90+CD45RA-細胞の割合と(B)CD34brightおよびCD34brightCD90+CD45RA-細胞を決定するために使用しました。
* 最終濃度が1 μMに調製したUM729(ST-72332)を使用した場合も、同様の結果が予想されます。UM171とUM729を比較するデータを含む詳細については、Fares et al. 2014を参照ください。
図2. 他社の培地と比べてヒトCD34+およびCD34bright細胞の拡大培養を促進
StemSpan™ シリーズ(SFEM、SFEM II、XFおよびAOF、オレンジ色のバー)と他社の培地(灰色のバー)を用いて、分離したCB由来のCD34+細胞の拡大培養を比較しました。すべての培地にはStemSpan™ CD34+ Expansion SupplementとUM171* を添加し、7日間培養しました。
図1に示すように、培養中のCD34+およびCD34bright生細胞をFACS解析して(A)頻度、および(B)細胞の増殖量を比較しました。他社の培地と比較して、StemSpan™シリーズはCD34+およびCD34bright細胞が有意に高い増殖を示しました。(P < 0.05, one-way ANOVA followed by Dunnett’s post hoc test)。CD34bright細胞集団は機能的な幹細胞/前駆細胞に富んでいます(図4)。Data shown are mean ± SEM (n = 8).
* 最終濃度を1 μMに調製したUM729(ST-72332)を使用した場合も、同様の結果が予想されます。 UM171とUM729を比較するデータを含む詳細については、Fares et al. 2014を参照ください。
図3. 他社の培地と比べてヒトCD34brightCD90+ CD45RA-細胞を効率よく拡大培養
図2と同様に培養および比較検討しました。図1に示すように、培養中のCD34+CD90+CD45RA-(実線)およびCD34brightCD90+CD45RA-(点線)生細胞の(A)頻度および(B)細胞増殖をフローサイトメトリーで分析しました。市販の他の培地と比較して、StemSpanシリーズでは、CD34brightCD90+CD45RA-細胞が有意に高い増殖を示しました(P < 0.05, one-way ANOVA followed by Dunnett’s post hoc test)。
図4. 拡大培養したCD34bright細胞はCD34medおよびCD34-細胞よりも高いコロニー形成能を保持
StemSpan™-XFにStemSpan™ CD34+ Expansion SupplementとUM171 *を添加した培地で7日間培養したCB由来CD34+細胞を、7-AADと抗CD34抗体で染色しソーティングしました。細胞はCD34bright、CD34medおよびCD34-の集団から(A)バルクソート、または(B、C)96ウェルプレートにシングルセルソートさせました。バルクソートした細胞は6-well SmartDish(ST-27370)に400細胞/mLで播種し、シングルセルソートした細胞はそのまま(予めMethoCult™ 100 µLを入れたウェルにソート)、CFUアッセイのためにMethoCult™ H4034 Optimum(ST-04034)で14日間培養後、(A)STEMvision™または(B、C)倒立顕微鏡下の手動カウントでコロニーを計数しました。シングルセルソートした細胞の実験から得られたコロニーの頻度は(B)CFU頻度としてシングルセルソートされた総細胞数に対して生成されたコロニーの総数で算出(各バーの上に分数として表示)、または(C)CFU出力として最初にインプットしたCD34+細胞1個あたりに形成されたCFU総数で表しました。
培養拡大させたCD34bright細胞は(B)CD34med細胞(〜20%)およびCD34-細胞(〜10%)よりも高いCFU頻度(〜50%)を示し、CD34med細胞およびCD34-細胞ではほとんど見られないCFU-GEMMやBFU-Eを含む多様で未分化なコロニーが形成されました。ソーティング中に収集された表現型データを分析すると、すべてのCFU-GEMMと、大部分のBFU-EコロニーがLT-HSCs、CD34brightCD90+CD45RA-細胞集団に富む画分から生成されていました。一方、BFU-Eの33%がST-HSCs、CD34brightCD90-CD45RA-細胞集団に富む画分から生成されていました。少数のCFU-GおよびCFU-MコロニーのみがCD34brightCD90+/-CD45RA+細胞から生成されていました。これは、この細胞集団に前駆細胞しか含まれていないことを示唆する過去の報告と一致します。
* 最終濃度が1 μMのUM729(ST-72332)を使用した場合も、同様の結果が予想されます。UM171とUM729を比較するデータを含む詳細は、Fares et al. 2014を参照ください。