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ラーニングコーナー

2024/07/01

脳・神経オルガノイド研究に役立つ技術情報

  • 用途別細胞培養

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ヒトの脳・神経オルガノイドは、実用的および倫理的な観点から、初代細胞や摘出した組織ではなく多能性幹細胞(hPSC)を分化させて樹立します。これらの脳・神経オルガノイドを培養することで、ヒト脳の発生中の細胞組成と3D 構造をin vitro で再現できます。このため、脳の構造と発達がヒトと大きく異なるげっ歯類などの動物モデルと異なり、脳・神経オルガノイドはヒト中枢神経系に特有の発生過程や、自閉症、統合失調症、ジカウイルス感染による脳の障害といった神経疾患の研究モデルとして重要です。

本稿では、培養のプロトコルやアプリケーションなど、脳・神経オルガノイド研究に役立つ技術資料を紹介します。
なお、掲載した情報は一部です。さらに詳しく知りたい方は冊子「オルガノイド培養ハンドブック」もご参照ください:

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脳・神経オルガノイドのアプリケーション

脳・神経オルガノイドのさまざまな研究への応用例をご紹介します。

概要 画像をクリックするとリンクが開きます

3 次元なヒト脳オルガノイドの構築(ポスター)
Building Three-Dimensional Human Brain Organoids
脳の組織形成、中枢神経系の発生と成熟、そして脳の疾患を研究するための、脳オルガノイドのアプリケーションをまとめました。

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神経研究に役立つ細胞培養アプリケーション(記事:ラーニングコーナー)
ニューロンの3D培養(オルガノイドと、その共培養系であるAssemBloid™ [アセンブロイド])に関するプロトコルや、研究発表ポスター、研究者による解説動画(ウェビナー)を紹介します。他に、ニューロンの共培養や電気活動測定の情報もあります。

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大脳皮質オルガノイドにおける痙攣陽性化合物および抗てんかん薬の応答(記事:研究者の声)
- 鈴木 郁郎 先生(東北工業大学 大学院工学研究科)
STEMdiff™ Cerebral Organoid Kit でヒトiPS 細胞から作製した大脳皮質オルガノイドを微小電極アレイ(microelectrode array;MEA)上に配置し、電気活動を測定しました。測定用の培地にBrainPhys™を使用しました。大脳皮質オルガノイドの電気活動は痙攣陽性化合物および抗てんかん薬の投与に対して用量依存的で、かつ通常の2 次元で培養したニューロンと比べて生体脳に近い応答が検出されました。

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背側および腹側前脳オルガノイドと背側- 腹側前脳アセンブロイドの樹立(学会発表ポスター)
A Reliable, Efficient, and Feeder-Free Method to Generate Brain-Region-Specific Dorsal and Ventral Forebrain Organoids From Human Pluripotent Stem Cells to Model Early Human Brain Development
STEMdiff™ Dorsal Forebrain Organoid Differentiation Kit および STEMdiff™ Ventral Forebrain Organoid Differentiation Kitで、ヒト多能性幹細胞(hPSC)から背側前脳と腹側前脳の特徴を備えたオルガノイドを樹立しました。前脳オルガノイドは電気生理的な活性を示し、さらに共培養することでアセンブロイドを樹立できました。

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脈絡叢オルガノイドによる中枢神経系バリアおよび分泌機能モデル(学会発表ポスター)
A Human Pluripotent Stem Cell-Derived Organoid Model for Recapitulation of Central Nervous System (CNS) Barrier and Fluid Secretion Functions of the Choroid Plexus
STEMdiff™ Choroid Plexus Organoid Differentiation Kitで、ヒト多能性幹細胞(hPSC)から脈絡叢オルガノイドを樹立しました。血液 - 脳脊髄液(CSF)バリアを形成する脳上皮のモデルである脈絡叢オルガノイドを用いて、CSF様液体の収集と解析、および低分子に対するバリア機能の測定を行いました。

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脳・神経オルガノイドのプロトコル

脳・神経オルガノイドの培養と解析に役立つプロトコルをご紹介します。

概要 画像をクリックするとリンクが開きます

神経研究に役立つ細胞培養アプリケーション(記事:ラーニングコーナー)
ニューロンの3D培養(オルガノイドと、その共培養系であるAssemBloid™ [アセンブロイド])に関するプロトコルや、研究発表ポスター、研究者による解説動画(ウェビナー)を紹介します。他に、ニューロンの共培養や電気活動測定の情報もあります。

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大脳オルガノイドの培養(記事:ラーニングコーナー)
ヒト多能性幹細胞(hPSC)からSTEMdiff™ Cerebral Organoid Kit で大脳オルガノイドを分化させます。STEMdiff™ Cerebral Organoid Kit は胚様体(embryoid body; EB)の形成から大脳オルガノイド成熟までサポートしています。

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神経を高次元にモデル化するヒト脳領域特異的オルガノイド(記事:注目の製品情報)
ヒトの前脳および中脳のオルガノイド(領域特異的な脳オルガノイド)とそれらのアセンブロイドについて、作製方法やアプリケーションをご紹介します。

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背側- 腹側前脳アセンブロイドの樹立(プロトコル)
How to Generate AssemBloids™ from hPSC-Derived Dorsal and Ventral Forebrain Organoid Co-Cultures
ヒト多能性幹細胞(hPSC)から STEMdiff™ Dorsal Forebrain Organoid Kit で背側前脳オルガノイドを、STEMdiff™ Ventral Forebrain Organoid Kit で腹側前脳オルガノイドをそれぞれ分化させた後、共培養してアセンブロイドを樹立します。樹立した背側- 腹側前脳アセンブロイドは、前脳の背側- 腹側領域間相互作用モデルとして、介在ニューロンの移動や神経回路の接続性の研究に有用です。

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脳オルガノイドの凍結組織切片作製と免疫染色(プロトコル)
Cryogenic Tissue Processing and Section Immunofluorescence of Neural Organoids
樹立した脳オルガノイドの凍結切片を作製し、免疫蛍光染色します。重要なエピトープが保たれるよう、処理中の組織へのダメージを最小限に抑えます。

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製品リスト

ヒト多能性幹細胞からの大脳オルガノイド(領域非特異的な脳オルガノイド)培養

商品コード 商品名 梱包単位 オルガノイド生成数(§) 備考
ST-08570 STEMdiff™ Cerebral Organoid Kit Kit 約 100個 樹立・成熟用
ST-08571 STEMdiff™ Cerebral Organoid Maturation Kit Kit 約 70個(†) 成熟用
(ST-08570 構成品)
ST-08579 Organoid Embedding Sheet 6 Sheets 包埋用シリコンシート

ヒト多能性幹細胞からの領域特異的な脳オルガノイド培養

商品コード 商品名 梱包単位 オルガノイド生成数(§) 備考
ST-08620 STEMdiff™ Dorsal Forebrain Organoid Differentiation Kit 1 Kit 約 500個 背側前脳オルガノイド
樹立・増殖・分化用
ST-08630 STEMdiff™ Ventral Forebrain Organoid Differentiation Kit 1 Kit 約 500個 腹側前脳オルガノイド
樹立・増殖・分化用
ST-100-1096 STEMdiff™ Midbrain Organoid Differentiation Kit 1 Kit 約 500個 中脳オルガノイド
樹立・増殖・分化用
ST-100-0120 STEMdiff™ Neural Organoid Maintenance Kit 1 Kit 約 500個(††) 上記の各オルガノイド維持用
(ST-08620,ST-08630,ST-100-1096 構成品)

ヒト多能性幹細胞からの脈絡叢オルガノイド培養

商品コード 商品名 梱包単位 オルガノイド生成数(§) 備考
ST-100-0824 STEMdiff™ Choroid Plexus Organoid Differentiation Kit 1 Kit 約 60個 樹立・成熟用
ST-100-0825 STEMdiff™ Choroid Plexus Organoid Maturation Kit 1 Kit 約 60個(†††) 成熟用
(ST-100-0824 構成品)

(§) オルガノイドの生成数は目安です。ドナー間で生成数に違いが生じる可能性があります。

(†) 約40日間成熟させる場合の生成数、(††) 約30日間維持する場合の生成数、(†††)約30日間成熟させる場合の生成数

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