STEMCELL Technologies STEMdiff STEMdiff Choroid Plexus Organoid Differentiation Kit
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STEMdiff™ Choroid Plexus Organoid Differentiation Kit(ST-100-0824)は、血液脳脊髄液バリアを形成する特殊な脳上皮である「脈絡叢」にパターン化されたヒト多能性幹細胞(hPSC)由来のオルガノイドを作製するためのキットです。
脈絡叢オルガノイドを使用すると、ヒト神経バイオマーカーの発見や中枢神経系(CNS)の透過性に対してin vitroでアプローチできるようになります。3次元の組織構造と機能的なバリア上皮により、薬剤分布や脳脊髄液(CSF)産生と抽出に関わるCNS透過性研究のための前例ないアクセスと制御を実現できます。
本キットの簡易な5段階のプロトコールを使用すると、下流のさまざまな用途に使える脈絡叢オルガノイドを再現性よく効率的に生成できます。
Pellegrini et al.(Science, 2020)によって報告された組成に基づいており、これは実験動物の削減、代替、改良における画期的な成果として3R賞を受賞しました。
脈絡叢オルガノイドの形成は、中間胚様体(EB)形成ステップを経て開始され、続いて神経上皮が拡大し、脈絡叢様上皮にパターン化されます。成熟期間の後、オルガノイドはCSF類似の液体で満たされ、上衣脈絡叢特異的マーカー(TTR、CLIC6、AQP1)を発現する上皮層に囲まれた嚢胞構造を示します。
オルガノイドを長期間(> 40日)培養する場合、成熟に必要なキット構成要素をSTEMdiff™ Choroid Plexus Organoid Maturation Kit(ST-100-0825)として購入いただけます。
製品の特長
STEMdiff™ Choroid Plexus Differentiation Kitをもちいて、ヒトES/iPS細胞から脈絡叢オルガノイドへ分化誘導できます
- スクリーニングとモデル化用途に適したヒトCNSバリアモデルを採用し、In vitroシステムを正確に制御できます
- スクリーニングパイプラインでの、複雑な共培養またはTranswell®システムの必要性を排除します
- 腰椎穿刺を行わずにCSFを抽出し、100%血液フリーのシステムでヒトCNS特異的なバイオマーカーを特定できます
- 1キットでマウス1匹より50倍多くCSFを取得でき、プールされた臨床サンプルのドナー間のばらつきを排除します
Figure 1. Protocol Schematic for the STEMdiff™ Choroid Plexus Organoid Differentiation and Maturation Kits
Choroid plexus organoids can be generated from human embryonic stem (ES) or induced pluripotent stem (iPS) cells in 30 days. The protocol begins with embryoid body (EB) formation, followed by expansion of neuroepithelia and patterning to choroid plexus-like epithelium. After a period of epithelial maturation including extensive bubbling, the organoids develop cystic structures surrounded by an ependymal epithelial layer and filled with a fluid resembling cerebrospinal fluid (CSF).
データ紹介
本製品が基づく組成を開発したPellegrini博士によるウェビナー:
Modeling Brain Barrier Permeability and CSF Secretion with Choroid Plexus Organoids
(視聴には、STEMCELL Technologies社ウェブサイトでの登録が必要です。)
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