ログインVERI+CLUB へログインが必要です。
メールアドレス
パスワード

パスワードを忘れた方

注目の製品情報

2018/07/26

Laminin-521:多能性幹細胞の生存率・増殖効率アップに最適なマトリックス

  • 用途別細胞培養

ラミニン(laminin)は、in vitroで細胞とマトリックスの相互作用を、生体内と同じ環境(ニッチ)に再現することで、細胞の機能改善に役立ちます。ラミニンは、ほぼすべての細胞の成長・サポートに関わる細胞外マトリックスタンパク質です。

なぜ幹細胞の培養にLaminin-521なのか?

ROCKi不要で、ヒトES/iPS細胞のシングルセル継代を容易にします

BioLamina社のLaminin-521(LN521)は、細胞培養用のマトリックスとして開発された、完全長のヒト組み換えラミニンです。ヒト多能性幹細胞(ヒトES/iPS細胞、hPSCs)と間葉系幹細胞(MSCs)のフィーダフリー培養に、ゼノフリーかつdefinedな条件で最適な環境を提供します。Laminin-521での培養時にはROCK阻害剤(ROCKi)の添加は不要です。
Laminin-521でのシングルセル継代のhPSCs培養系は、培地に依存せず週末の培地交換も不要となります。また、均一な多能性および安定的な核型を持つ細胞が得られます。

 

幹細胞の生体内と同じ環境を再現します

ラミニンはほぼすべての細胞を囲む基底膜の糖タンパク質です。細胞表面受容体を結合し、細胞シグナル伝達カスケードを活性化するため、より機能的で適切な細胞をもたらします。
ヒト初期胚の内部細胞塊(inner cell mass:ICM)から発現、分泌されるLaminin-521は、生体内の幹細胞環境の重要な基底膜タンパク質です。従って、ヒト多能性幹細胞を安定的に増殖させ、各細胞系統への分化能を維持することが可能となります。さらに、異なるヒト多能性幹細胞株間の遺伝子発現プロフィールを安定化および均一化することに関して、プラス効果をもたらします。

1093_Laminin-521_Fig1.jpg

Laminin-521の特長

  • ゼノフリーかつ組成が明らかな生体内の環境を模倣した細胞培養システムで、安定した結果が得られる
  • 単層培養で自発的分化もなく、余計な作業が不要
  • ROCK阻害剤不要で、簡単で確立されたシングル化細胞継代法
  • 230継代後も核型が正常で、安定した増殖を示す
  • 4日間で10倍という高効率な増殖はスケールアップに最適
  • ロット間差が最小限に抑えられ、データの信頼性が高い
  • ヒト多能性幹細胞株の樹立実績多数
  • さまざまな市販培地での実績あり(mTeSR1、TeSR2、NutriStem, E8、StemPro)
  • 培地や酵素に依存しない汎用性
1093_Laminin-521_Fig2.jpg

 

Laminin-521 データ紹介

ヒト多能性幹細胞をモノレイヤーで増殖

Laminin-521は堅牢かつ均一に、ヒト多能性幹細胞のモノレイヤー(単層)での増殖を実現します。

1093_Laminin-521_Fig3_left.jpg
1093_Laminin-521_Fig3_right.jpg

Laminin-521で高効率な細胞増殖

Laminin-521で培養したヒト多能性幹細胞は、他の細胞外マトリックスに比べて効率よく増殖します。

1093_Laminin-521_Fig4.jpg

 

Laminin-521でヒト多能性幹細胞の自発的な分化なし

Laminin-521で培養したヒト多能性幹細胞は、他の細胞外マトリックスと比べて明らかに分化(DAPI:青)せずに多能性(Oct4+:ピンク)を維持します。

1093_Laminin-521_Fig5.jpg

 

Laminin-521でより高い生存率を実現

Laminin-521で培養したヒト多能性幹細胞は、他の細胞外マトリックスと比べて高い生存率を示します。

1093_Laminin-521_Fig6.jpg

 

参考文献

  • Clonal culturing of human embryonic stem cells on laminin-521/E-cadherin matrix in defined and xeno-free environment. Rodin et al. Nat Commun. 2014
  • Monolayer culturing and cloning of human pluripotent stem cells on laminin-521 based matrices under xeno-free and chemically defined conditions. Rodin et al. Nature Protocols. 2014
  • a-5 Laminin Synthesized by Human Pluripotent Stem Cells Promotes Self-Renewal. Laperle et al. Stem Cell Reports, 2015
  • Higher-Density Culture in Human Embryonic Stem Cells Results in DNA Damage and Genome Instability. Jacobs et al. Stem Cell Reports, 2016
  • Laminin 521 stabilizes the pluripotency expression pattern of human embryonic stem cells initially derived on feeder cells. Albalushi et al. Stem Cell International, 2017

関連情報

関連製品

記事に関するお問い合わせ