STEMCELL Technologies IntestiCult IntestiCult Organoid Growth Medium (Human)
- 研究用
「IntestiCult™による腸内ウイルス感染の研究」最新情報
IntestiCult™ Organoid Growth Medium (Human) (製品コード:ST-06010)は、ヒト腸オルガノイドの樹立と維持に最適化された完全培地です。本品で作製した腸オルガノイドを用いて、成人腸上皮の主要な特性をモデル化できます。簡単かつ堅牢なプロトコルにより、腸陰窩(intestinal crypts)から1週間でオルガノイドへ誘導できます。他法では増殖が困難なケースも含む幅広いドナーのサンプルから、濃縮した幹細胞集団によるオルガノイド増殖を可能にします。
本品で培養したオルガノイドは、極性化した腸上皮細胞層で囲まれた機能性内腔を持ちます。これらは、IntestiCult™ Organoid Differentiation Medium (Human; ST-100-0214) で3D培養または2D培養(液内単層か気液界面/ALI)して分化させ、多様なモデル化アプリケーションに使用できます。
腸オルガノイド培養の用途には、腸管上皮の発達と機能の研究、腸疾患モデル、腸管モデルでの有効性・毒性の分子スクリーニングなどがあります。また、成体幹細胞の特性や、再生医療の研究にも使用できます。
本品はHUBとの共同開発製品です。商業目的で使用する場合は、HUB Organoids B.V.(www.huborganoids.nl/)へご連絡の上、商用ライセンスまたはHUB Organoids B.V.とのライセンスに関する説明を受けてください。
製品の特長
IntestiCult™ Organoid Growth Medium(OGM)で、ヒト腸オルガノイドを樹立・維持
- 成人腸管上皮の主要な機能を再現した、便利な in vitroの培養系
- 完全培地の使用で一貫した結果を取得
- 1週間で腸オルガノイドを樹立
- 簡易なフォーマットと最適化済みのプロトコル
注意事項
- 使用前に、IntestiCult OGM Human Basal Medium と IntestiCult Organoid Supplementを等量混合します。混合後は、冷蔵(2 -8℃)で1週間保存可能です。
- 他にCorning Matrigelなどが必要になります(詳細は製品添付文書を参照)。
- 腸管オルガノイドの凍結保存には、CryoStor CS10の使用が最適です。
データ紹介
初代腸菅オルガノイドから培養10-14日で完全に成熟

ヒト結腸生検サンプルから分離した初代オルガノイドをIntestiCult Organoid Growth Medium(Human)で増殖培養させた。
(A)培養2日後、(B)6日後、(C)8日後、(D)10日後の腸管オルガノイドをそれぞれ画像化したもの。
腸管上皮細胞のマーカーの発現

(A)DAPI、(B)EPCAM、(C)Ki67に対する免疫蛍光染色像。
(D)(A)~(C)のマージ画像。上皮層(EPCAM+)内で活発に増殖する(Ki67+)腸管幹細胞を示している。
ヒト腸管オルガノイドのフォルスコリン誘発性腫脹

ヒト腸管オルガノイドを(A)5 μMフォルスコリンまたは(B)DMSOで処理し、オルガノイドの面積を処理後0分、120分に測定した。(C)フォルスコリン処理時のオルガノイド面積は、DMSO処理時と比べて増加した(処理前:7.5 ± 0.8 %、処理後:33.5 ± 3.8 %)。
複数の細胞外マトリックスでオルガノイド成長をサポート

IntestiCult™ OGM (Human) と以下の各マトリックスを用いてヒト腸オルガノイドを培養し、継代4回目の終わりに撮像した。オルガノイドはいずれも順調に増殖した。
(A) Matrigel® Growth Factor Reduced Basement Membrane Matrix (Corning® #356231)
(B) Geltrex® LDEV-Free Reduced Growth Factor Basement Membrane Matrix (Gibco™ #A1413202)
(C) Cultrex® Reduced Growth Factor Basement Membrane Extract, Type 1 (R&D Systems™ #3433-005-R1)
(D) Cultrex® Reduced Growth Factor Basement Membrane Extract, Type 2 (R&D Systems™ #3533-005-02)。