STEMCELL Technologies mTeSR mTeSR Plus Maintenance Set
- 研究用
mTeSR™ Plus Maintenance Set(ST-100-0276VR)は、ヒト多能性幹細胞(hPSC)の維持培養用培地:mTeSR™ Plus、継代用剥離試薬:ReLeSR™、基底膜マトリックス:Vitronectin XF™のセット品です。
このSTEMCELL Technologies社の商品で「クランプ」培養をすれば、より高品質なヒトiPS細胞を維持できます。
製品の特長
ヒトES/iPS細胞培養で行われる継代法には、操作の違いにより二つの方法「クランプ継代」と「シングルセル継代」があります。
クランプ継代では、ES/iPS細胞のコロニーを小さい細胞塊に断片化し播種することにより、通常コロニーとして培養します。
シングルセル継代では、完全に解離してシングルセル化したES/iPS細胞懸濁液を播種することにより、単層培養します。
単層培養でのシングルセル継代法は、より増殖が速く、多くの細胞が得られる利点を有すると言われます。しかし、ES/iPS細胞のシングルセル剥離操作は、長期培養時にES/iPS細胞にゲノム変異を引き起こすことや、ES/iPS細胞をシングルセルに剥離し低密度で再プレーティングすると、細胞損傷および細胞死(アポトーシス)が引き起こされることが報告されています。
さらに、シングルセル継代で単層培養された細胞の形態からは細胞品質の評価が困難ですが、クランプ継代ではコロニーの状態で培養された細胞の形態(コロニーの形、S/Nなど)にもとづく細胞品質評価が容易になります。
維持培養用培地:mTeSR™ Plus cGMP
緩衝作用(pH)の改善とFGF2の安定化を実現した、ヒトES/iPS細胞維持用の無血清培地です。
培地の酸性化を抑えることで、遺伝的変異を含むES/iPS細胞へのダメージを軽減します。培地交換も週2回で問題ありません。
mTeSR Plus cGMP 製品情報
mTeSR Plus cGMP 日本語簡易マニュアル
ヒトES/iPS細胞の維持培養における、プレートのコーティングとクランプ継代の方法を日本語簡易マニュアルにまとめました。
mTeSR Plus‐シングルセル継代からクランプ継代への移行方法
継代用剥離試薬:ReLeSR™
ヒトES/iPS細胞を細胞塊として継代(クランプ継代)可能な、酵素フリーの解離試薬です。
未分化細胞を選択的に剥離し、最適なサイズの細胞塊を簡単に生成できますので、手作業で選択やスクレイピングを行う必要はありません。
細胞培養マトリックス: Vitronectin XF™
ヒト多能性幹細胞の増殖と分化をサポートする、定義された(defined)組成でゼノフリーな細胞培養マトリックスです。
mTeSR™ Plus cGMPと併用することで培養環境の完全な制御を可能にし、より一貫性ある細胞集団、および下流の用途における再現性の高い結果をもたらします。